2012年9月4日火曜日

一応暮らせる絶妙な日当が,格差社会を助長

今日から日雇い労働者になった
増田 明利
彩図社
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日雇い労働の生活から抜け出せないのは日当が8000円から9000円という微妙な額だからである。とりあえず,一日働けば飯が食え銭湯にも入れ,ネットカフェで雨露も凌げ,これはこれで不便なく生けていける。そのうち低賃金を低賃金と思わなくなり,危機感が薄れていく.

底辺労働の現場にいる人たちは無知なのかもしれない.周りにいるのは同じような低賃金労働者ばかりで,自分が低賃金で働いているという感覚がなくなるのでないか?

高卒では,ビルメンテナンス,警備員,運転手,電機や自動車関連の下請工場しか行けない.営業とか事務でさえ高卒ではダメな場合が多い.基礎学力,一般教養,受けた教育水準,専門知識の有無などで行き場が違う.現代の職業は専門分化し企画力,応用力,創造力を求められる仕事のほとんどは大卒者に占領されている.

高卒でできるような上記のような仕事は単純労働だけであり,知識や技能は身につかない.生かさず,殺さず,ベルトコンベアに乗る物のように扱われ,最後は使い捨てされる.社会の調整弁.職場を転々とする生活なので友人もできず,常に孤独である.社会の出来事に無関心になり,冷たい人間になってしまう.こんな人間が社会にあふれると社会全体は殺伐となってしまう.

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