2012年9月5日水曜日

拙速は巧遅に勝らない!?


http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/report27_2142.html



一番優秀な学生Aは、ものすごく注意深いタイプで、間違いがめったにない仕事をする。インストラクションをよく読んで、どういうふうに税額が計算されるのか自分である程度分析し、いろいろなケースが出てくるのだが、こういう場合はどうするべきか自分でよく考えて判断し、判断の根拠もちゃんと記録に残し、出来上がった仕事は正しくできているかしっかり自分でセルフ・レヴューをしてから私に提出するので、ほぼ完璧なものが出てくる。間違いがあったとしても、初心者としてはリーズナブルな間違いしかない。

こういうふうにしっかり考えながら注意深い仕事をすると、最初は仕事のスピードが遅くて、ほかの学生たちに比べて、出来上がった仕事の量が少なく、プロダクティビティーは劣ったが、それは慣れればスピードアップするのはわかっていたので、問題にならなかった。2ヶ月目に入るとだんだん仕事の内容も複雑になってくるので、これはちょっと難しいなと思うような仕事は学生Aにやらせた。するとたいして教えもしないのに、見事にやってのけた。これには感心した。

逆に、学生Bはプロダクティビティーは高くて、仕事がえらく早いのだが、間違いだらけのものを平気でボンボン出してくる。出来上がったものをみればすぐわかるのだが、要は何も考えずに、目の前にある山をとりあえずかたづけたくて、適当にインプット作業をして、出来上がったものが正しくできているかセルフ・レビューを全くせずに出してくる。ケアレスミスが極めて多く、何をやらせても注意深さに欠ける。仕事の中身に対する理解度も低い。最初の10日くらいで問題ありの学生だということはわかったので、なんとか鍛えてあげたいと思って、特に細かく指導したのだけれど、いくら言っても自分のやった仕事をきちんと見直すという習慣がないようで、スロッピーな(不注意な)性格は変わるものではなく、4週間しても改善が見られなかった。

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