2012年8月27日月曜日

ちきりん 自分の頭で考えよう

自分のアタマで考えよう
自分のアタマで考えよう
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ちきりん
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「知っている」と「考える」はまったく別物.世の中の事象には,何であれ良い面と悪い面がある.結論は各人がひとつ選ぶわけであるが,情報を見て考えられることをすべて列挙せよと言われれば,良い面と悪い面の両方が出てくるのが「知識にだまされていない純粋な思考」の結果である.


思考力のある人は,常にゼロから考えている.時代が変わり,世の中が変わり,新しい環境ができて新しい情報に触れた時に,過去の知識でなく,目の前の情報から考えることができるかどうかが,分岐点となる.

情報ではなく,意思決定のプロセスが大切.情報を集めて分析することに熱中するのではなく,「どうやって結論を出すべきなのか?」を先に考えることが必要.このように意思決定プロセスが明確になれば,それに合わせて必要な情報だけを収集すればよいので,情報収集に必要な時間が大幅に短縮できる.この意識決定プロセスは曖昧ではなく,文章に落とせるくらい明確にされていないと使えない.情報収集をしていると,どんな情報も重要に思えてしまうが,本当に重要かどうかは「いま求められている意思決定プロセスに必要か否か」で決める.

「考えること」「思考」とは,インプットである情報をアウトプットである結論に変換するプロセスを指す.「私は考えた」とは「私はあるインプットをもとに,何らかの結論を出した.ある考えに至った」という意味.

情報を見たときにまず考えることは「なぜ?」「だから何なの?」のふたつ.

誰かが予想し,それが新聞等に掲載されてから動き出していては出遅れてしまう.自分で考えることができれば,他者に先んじて準備を整えられる.

失敗は結果ではなく,「正しい方法論の学びの機会」である.

プロセスの比較を行うことにより,「ものごとの進め方」や「段取り」まで直接的に比較することができる.

決められないのは選択肢が多すぎるのでなく,判断基準が多すぎるから.判断基準に優先順位をつける,あるいは絞り込む.判断基準を持つためには,ビジョンが必要.

与えられたルールの中で最適を目指すことは,時に果てしなき消耗戦につながる.よって,自分が得意な分野で勝負ができるように新しいルールを作る,あるいはルールを変えることができれば,努力が本当に報われる.

頭の中で考えていることを文章にしてみると,思考不足や矛盾点が出てくるので,さらに考えを深めることができる.さらに図や表にすると,図の配置,順番,形を丸にするか四角にするか,色をどうするか等,迷うことがさらに出てくるので,さらに思考を深めることができる.

同じものを見ても,いろいろ気付く人とそうでない人の差は,知識を整理するための思考の棚をもち,次に知りたい情報を意識的に持っているかどうかの差である.
さらに思考の棚に空きに入るべき情報を入手できたら,何が言えるか,結論は何かを予め考えておくことも大切.

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