2012年8月26日日曜日

鈴木博毅 「超」入門 失敗の本質

「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ
鈴木 博毅
ダイヤモンド社
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戦略とはいかに「目標達成につながる勝利」を選ぶかを考えること.日本人は戦略と戦術を混同しやすいが,戦術で勝利しても,最終的な勝利には結びつかない.その際,勝利を決める「指標」をいかに選ぶかが戦略である.性能面や価格で一時的に勝利しても,より有利な指標が現れれば最終的な勝利にはつながらない.


なるほど,
最終目標を描き,最短で達成するための勝利を積み重ねていくことが大切.個々の戦いでは,勝利により目標達成に近づくことができるかを意識することが大切.近づかない戦いはさける.

「体験的学習」で一時的に勝利しても成功要因を把握できないと長期的には必ず敗北する.指標を理解していない勝利は継続できない.「戦略となる指標」を取り出すことをせず,「体験そのものを再現」することに執着すると,目の前の勝利と同じ型を追いかけることにつながる.体験的学習や偶然による指標発見は,いずれ新しい指標(戦略)に敗れる.勝利体験の再現をするだけでなく,さらに有効な指標を見つけることが大切.競合と同じ指標を追いかけても,いずれ敗北する.
 高い技術力を誇るメーカが苦戦するのは,消費者の指標を変化させるイノベーションではなく,単に技術上の高性能を追及しており,効果を失ってる指標を追いかけるためである.先行メーカに続く場合,多少性能を向上させることも可能であるが,先行メーカはプラットフォーム戦略などで後続メーカに指標を変えられないように製品展開を進めており,やはり苦戦を強いられる.戦略を「以前の成功体験をコピー・拡大生産すること」であると誤認すれば,環境変化に対応できない精神状態に陥る.「型のみを伝承」することで,本来必要な勝利への変化を全否定する歪んだ集団になってしまう.常に「勝利の本質」を問い続けられる集団を目指すべき.

なるほど,

勝利しても,なぜ勝利したのか?勝利の指標,要因を抽出して,さらなる戦いに向けた対策をとることが大切.単なる体験の再現を目指すのはだめ.

リスクは,背を向けるたり隠したりするのではなく,周知させ具体的に管理するものである.かわすのではなく管理するのである.

なるほど,
リスクについては考えたくもないが,それではリスクが実際に生じた場合に有効な対策が打てなくなる.リスクに対しては,認識・対策を考え,日ごろからリスクを最小化(ゼロにはならない)するための管理をする必要がある.こうすれば,リスクをある程度コントロールすることが可能となる.

人事評価とは会社側からのメッセージ.だから,人事評価と人材配置は,組織メンバーに対して強い影響力を発揮する.なぜなら,組織を構成する人物が生み出した成果をどう評価して,その人物をトップがどう扱うかは,メンバー全員の関心事だからである.


机上の空論や当初の想定,都合のいい思い込みは,現場での毅然たる事実の前に打ち砕かれる.であるこそ現場にこそ「新しい戦略(指標)が生まれる」のである.


愚かなリーダは「自分が認識できる限界」を組織の限界にしてしまう.逆に卓越したリーダは組織全体が持っている可能性を無限に引き出し活用する.「私自身が,組織の限界になっているのではないか?」

「空気」とは体験的学習による連想イメージを使い,合理的な議論を行わせずに,問題の全体像を一つの正論から染め上げてしまう効果を持つ.議論の「影響比率」を明確にし,意図的な「空気の醸成」が導く誤認を打ち破る知恵を身につけるべき.









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