2012年9月3日月曜日

自らに問いを立て,本質に迫る.

地アタマを鍛える知的勉強法 (講談社現代新書)
齋藤 孝
講談社
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社会に通用する人の特徴のひとつは,「もっと他にやり方はないのか」といった意識を常に持っていること.

勉強する上で,自分が何をわかっていて,何をわかっていないのかを意識することは大切. 「何をわかっていないのか」を知ることは,課題を設定することであり,課題を設定すれば,自分から自然に対応していけるようになる. これは,自分でなく,相手であっても大切であり,相手が「何をわかっていないのか」を潜在的に読み取ることは重要.

勉強が好きでも,やり方がずれていると効果は上がらない. それは本質をつかまずに,やみくもに勉強していることである. 本質をつかむには,常に自らに問いを立てることが重要. ノートをとる際にも,問いを立てることが大切.問いを立てることは,勉強から研究へのルートとなる.

言語というのは,痒いところに手が届くような細かな手作業に向いていて,微妙なニュアンスを伝えることが可能. ただし,言葉だけでは線が細く,全体がいっぺんに見通しにくい.これを補うのが図である.

文章を図に直し,作成した図を用いてぶつぶつと一人で説明する. 図で文書の内容を説明する. これは勉強で最も大事な部分であり,参考書や先生に任せてはいけない.

難しい局面になったら,びびらず,局面をシンプルな事象に分解することが大切.このようなクセをついていると,どんな局面でもびびらない.

否定されることを恐れてはならない.むしろ,否定されたことで前進できると考えるべきである.

2012年9月2日日曜日

革新的な変化は,人知れずに進行する.

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた
辻野晃一郎
新潮社
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確かにソニーのウォークマンの音質や耐久性は優れているかもしれない.しかし,それはもはや競争の本質ではないのだ.

「勝つために手段を選ばず」的な志の低い企業行為の数々. 時代感覚をなくして世の中のメガトレンドに疎く,プライドやビジョンや技術を軽視した保守的な言動. 幾多の業績を挙げた功労者や自らリスクを取る挑戦者たちを極端に粗末に扱い,しかもそれをなんとも思わない無神経な人々の横行. 新しい企業価値を生み出すことに賭ける腹の据わった度胸と忍耐力の欠如. 見苦しい嫉妬と足の引っ張り合いやモラルハザードが日常化した結果,内向きに消費される無駄なマイナスエネルギーの極大化.

グーグルの採用基準
・地頭の良さ. 知識などよりも,未知の課題に対して,答えを導き出す道筋を論理的に構築できるかどうかが問われる.
・これまでの職務実績や社会貢献の具体的な内容. きちんと結果を出す人かどうかが見極められる.
等々

ビジネスの常であるが,あまりにも強いポジションを確保し過ぎると,逆にそれが大きな足枷となって,次の勝負で大敗するという事例は枚挙にいとまがない. 例えば,真空管で強かったオランダのフィリップスがトランジスタに乗り遅れた事例,ソニーのウォークマンがiPodやiTunesにやられた例がある.
本質的に問題と感じたのは,テレビグループではテレビの定義があくまでも受像機ということであり,それ以上の発想がないように思えたことである. これからはネットワークの時代になり,ディジタル放送も始まる. だから,ただの受像機という装置ではなくなるはずだ.

「初めて日産を見たときは,とにかく問題だらけなので大きな改善の余地(Potential of Progress)を感じた」

従来のコンスーマビジネスにおける商品は,製造側も消費側も,いい意味でも完璧・完全を追求するマインドが強かった. 一方,パソコンなどのビジネスでは,製造側も消費側も,始めからバグを予期したマインドセットになっている. 当然,商品に欠陥があることは許されないし,品質は利益の源泉であると同時に品質で事業を潰すことさえある. これは難しい議論であるが,我々は常に商品の完成度,品質に万全を期さなければならない一方で,過度の完璧主義から脱却した割り切ったモノ作りについて,もっと学んでいく必要がある.

世の中はすべてが関係論の中に成立している. 自分の現在の職務や自分の職場が単独で存在しているわけではなく,家電やIT業界の中にソニーが存在し,そのソニーの中に事業所が存在し,その事業所の中に自分が所属する職場が存在している. 現在取り巻いている状況というのは,自分たちの日頃の業務の帰結なのである.

人間の習性として,将来への備えや起こり得るリスクに対する備えをしている段階では,なかなかその行為の意味というものが周囲の人々の理解を得られずに苦労するが,一旦リスクが顕在化すると,そこで初めて認識が深まったり,本気になったりするものである.

オフライン時代に,ハードを量産するという作業はリスクの高い行為であった. もし出荷後に製品に瑕疵が見つかればリコールにもなりかねず,そうなればその損失は計り知れない.そこでISO9000などに準拠した品質マネジメントシステムを構築し,出荷前の製品の完成度を万全にするためにコストと時間をかけることには誰も疑いの目を向けない.
オンラインの時代には,ネットワークとつながる商品であれば,仮に出荷後に瑕疵が見つかっても,オンラインで修復できるという可能性がある. ましてはハードウェアを含まないアプリなどであれば,あるレベルまで完成度が上がれば後はとにかく早く出荷した方が有利である. もたもたしていると同じアイデアを持った動きの早い人に先を越されるリスクが高まり,また早く出すほどユーザのフィードバックも早くもらえて製品の改善が進む. このため,出荷前の完成度を上げるために必要以上のコストや時間をかけず,それを出荷後の製品の進化を継続するための仕組みづくりに回す方が得である.

クラウド事業者は,データセンタで無数のCPUやHDDを扱っているが,これらを人間の細胞のように,むしろ壊れるのは当たり前として,早く壊れたパーツは新しいパーツと入れかえていくという新陳代謝を前提としたフォルトトレラントなアーキテクチャを構築している.

いずれ,銀行にお金を預けるのに誰も不必要な心配をしないのと同じように,自分や会社の機密データもデータ管理のプロ事業者に預けるのが常識となっていくであろう.

イノベーションとは,どんなにいい技術や製品を開発しても,それだけでは決して成立しない.その良さが多くのユーザに理解され,受け入れられてこそ,我々の生活を便利にしたり,社会に役立つ価値として意味を持つようになる.

日本人は行動する前に考え込んでしまうことが多い. インターネットの世界はスピードが最も重要で,やるリスクよりやらないリスクのほうが高い. やらないうちに時代はどんどん先に行ってしまい,躊躇しているうちにあっという間に取り残されていく.
「瑕疵がない,壊れない,壊れにくい」ことを前提にしたモノ作りの体質は,スピードが最重要な時代においては,必ずしも合理的とは言えなくなってきている.

走りながらユーザの力を利用して製品の完成度を上げていくというスタイルはオフラインの時代に作り上げた鉄壁であるが故に融通の効かない日本的なものつくり文化やシステムの立場から見ると非常識でありあり得ないスタイルである.

世の中の革命的な変化というものは実は派手に起きるというよりは見えないところで潜行しながら発生する. 革命や変革というのは,起こす人がいるから起こるのであって,世の中のごくごく一部の限られた人たちが動き出すと,さらにごく一部の人たちがその動きを察知して行動をはじめ,そこに小さな連鎖が発生し始める. このような革命や変革が起きることのサインはいろいろな形で出始めるのだが,本当に大勢に人たちが気付き始めるのはかなり後になってからとなる.

どうすれば勝つかではなく,どうすれば負けを少なくできるかを意識する.

不幸になる生き方 (集英社新書)
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ビジネスにしろ,スポーツにしろ,その道のプロとして長く続いている人というのは,負けを少なくすることを常に意識している人たちである.

リスクや責任をとらないままでは,幸せになれない. 相手からみれば,その人と付き合っていくには,コストが高すぎると判断されるからである.

ごみの捨て方に対する有責の発想
ごみの捨て方が細かく決められているが,これは合理性をもって,市役所の管理コストが安くなるように決めているはず.したがって,これを守らないと,市役所の負担が重くなり,最終的には税金アップという形で自分たちに跳ね返る.だから,一人ひとりが小さな決まりでも守ることが大切なことになる.


長期目標の実現に挫折すると,当の目標を実現できないかったというマイナス以外にも,以下のように,人生全体にネガティブ効果を及ぼす.
・挫折したことで,物事に取り組む自信を喪失してします
・あきらめることが常態化して,目標を定めない生き方が当たり前になってしまう.
・仕事でもプライベートでも,納期や約束が守れず,相手から「自己マネジメントのできない人間」と評価されてしまう.

我慢強さは社会的成功に結びつく. 我慢強ければ,学校の成績もよく,友だち付き合いも上手,ストレス管理もうまくなる. 我慢とは別の言い方をすれば,中長期的な課題に向かって無理なく続く仕組みをつくり,行動を継続していくことである.

本を読んだり映画を観ることで知識や教養を身につけることは,未来に対してクリアな想像力を養うことに貢献する.

仕事でもプライベートも充実させている人の共通点は,行動力に満ち溢れており,ビジネスマネジメントの大基本であるPDCAを普通の人の何倍も速く回している点である.

論理が非論理(大発見)を生む.

君たちに伝えたい3つのこと―仕事と人生について 科学者からのメッセージ
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1.人生には目標と戦略が必要で,それは理性的に自分で決められる.
2.誰かのためでなく,自分のために生きよ.結果としてそれが人の役に立つ.
3.まずはルーチンワーカーではなく,クリエイターを目指すべき.


クリエイターである研究者としての素質とは,突飛なことを思いつくアイデアマンであることではなく,A→B,B→C,故にA→Cというような,確実で緻密な思考能力,すなわち論理性を備えていること.

大発見とは論理性から生まれるものである.つまり,大発見とは往々にして,論理体系の中から論理に外れるものとして顔を出してくる.論理性が無ければ論理に外れたものを認識できないので,貴重な機会を逃してしまう.論理が非論理(大発見)を生む.

知識があって思考方法を知ってこそ,初めてアイデアが出てクリエイティブな仕事が出来,最終的に世の中の役に立てる.

実験(シミュレーション)の美しさは重要なファクターである.美しい実験とは,理論的に整合性のある対象を置き,結果の解釈を誤らないための様々な工夫がなされているものである.美しくない実験は,思わぬところで重要な兆候の見落としや誤った解釈を招くものである.実験結果を得るまでには多くの工程を経るので,その間の多くの押さえるべきポイントを理論的に把握できている人だけが,最終的に美しい結果に到達できる.

2012年9月1日土曜日

どんな素晴らしい発想でも最初は小さなつぶやきから始まる. 

逆算メモ術 ~結果を出している人の実践テクニック~ (マイコミ新書)

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悩みとは,「自分の願望と現状が一致ないこと」. このギャップの大小が悩みの大小である.

どんな素晴らしい発想でも最初は小さなつぶやきから始まる. 新しい発想というと,何か神がかり的なひらめきが必要かと思い込んでしまうが, 実は素朴な疑問や発見の積み重ねから生まれることが多い.

どうして,国を守らなければいけないの?



なぜ歴史教育が大切なのか?

歴史とは,その国の国民の拠り所となる. 輝かしい歴史,英雄たちの活躍,名の無い民の奮闘,素晴らしい発見や発明,世界に誇れる文化.無論,悪い例は反省の材料とすべきである. ただし,良い例がなく悪い例ばかりでは,素晴らしい日本人は育たない. 正義を貫いた人,自己犠牲を厭わなかった人,公共のため,国のために尽くした人といった例を出すことで,次の国を担う人材が生まれる.

侵略者にとっては相手の歴史は脅威であり,自分たちの正当性を失いかねないものである. このため,侵略者は歴史を都合の良いように書き換える.

もしも小学校から大学に至るまでの先生たちが,我々の自由の理想と国民的な名誉に対して忠実であるならば,侵略者は絶対にその理想に手をつけられず,したがってその思想を屈服させることはできないだろう. 精神的な抵抗運動を誰よりもまず最初に引き受けて実行するのは,わが国の教育者たちである. なぜか?それは学校が子供たちを預かっているからである. 子供たちに直接語りかけることが,学校なら可能だからである.

こちらがどんなに平和を望んでも,侵略する側にとってみればそんなことは関係ない.

ノーベル賞を主催するスウェーデンは中立国ではなるが,世界有数の武器生産・輸出国であり,自国で使用する武器はほとんど国産である.ここまでしないと中立を維持できない.

外交の役割とは,世界の中に味方を増やすこと.

国を守るということ
・領土・領空・領海を守る.
・価値観を守る.
・歴史を守る.
・未来を守る.
・生命と財産を守る.
国を守るためにすべきこと
・情報の収集・分析能力を高める.
・同盟国を増やす.
・味方を増やす.
・軍事力(抑止力)を高める.

芳沢光雄 数学的思考法

数学的思考法―説明力を鍛えるヒント  講談社現代新書
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自分自身では理由がわからなかった様々な課題や現象に対して,数学を用いて自らその理由を説明できたり,あるいは他人や本の説明からその理由を理解できたりして感動を味わうことがある.そのような経験が積み重ねられることによって,人は本当の「数学好き」になっていく.
(コメント)簡単なことから,数式を用いて理論的に説明を試み,成功することを積み重ねると,意外にあっという間に難しい課題の理論的な説明もできるようになり,ますます数式を扱うことが好きになるということは,実体験としてある.

主成分解析は,多くの変数をもつ情報を分析するとき,元の変数の1次式により作られる2~3の変数(主成分)によって全体の情報を大まかにとらえるようにするものである.多くの現実問題に関して,第1主成分から第3主成分までで全体の情報の80%くらいはとらえることができる.


規則性の理解のためのポイントは,「3」程度の具体例(モデル)で考えること.大体,これで一般的な性質を捉えられることが多い.
(コメント)簡単な具体例で考えることは非常に大切.「2」だと規則性を見落とす気もすると,「4」だと手間がかかる気がするので,「3」が丁度いい塩梅.

ある空間で本質的に新しい発見をすると,それは他の空間にも「同型」(アナロジー)を通じて波及し,それがまた新しい発見につながるのである.
(コメント)アナロジーで考えることがいつも大切.

「類別」は対象とするもの全部をいくつかに分けることで,その分け方によって説明が効果的になるものでなくては意味がない.
(コメント)トレードオフなどの表を作成する場合,説明したいことに沿った分類とすることが大切.表を作りたいが,分類軸がぼんやりするときは,何を説明したいのかを意識する.説明したいことに応じて,表も変化すると認識することも大切.

「場合分け」は,いくつもの場合分けをクロスしながら検討課題の核心に迫っていくのが普通で,様々な場合を見つけて考えるところに試行錯誤の鍵がある.したがって,数多くの試行錯誤をした後には「場合分け」を整理し直すことになる.
(コメント)場合分けは一発で華麗にできるものではなく,泥臭い作業が伴うものと認識する.試行錯誤しながら,検討課題の核心に迫っていく感覚を楽しもう.

モデル化する段階では,簡単のためのある程度の強引な方法(扱い)の採用はしかたない.このモデル化によるブレは避けようがなく,場合によっては意外に大きなブレになる場合もある.したがって,モデル化の規則や詳細は必ず明記する必要がある.
(コメント)モデル化は通常扱いやすい数式に乗せるために行う.このようなモデル化により,対象とする事象の出力等への見通しが立つ.一方,扱いやすいようにモデル化しているため,ブレが発生することには細心の注意が必要.

「すべて」と「ある」の用法は否定文と一緒に理解する.
「すべての自然数nに対して,命題P(n)が成り立つ」(すべて・・・ある)
「ある自然数nに対して,命題P(n)は成り立たない」(ある・・・・ない)